料理・食・グルメ漫画のカタログ

料理漫画目録

【WEB漫画】WEBコミックBeat’sで個性豊かな食マンガ3作!『おえどかしばな』『おいしいかおり』『豊穣のヒダルカミ』

更新日:

久しぶりにまともな記事です。

WEBコミックBeat’s(マッグガーデン・コミックオンライン)にて、2014年12月に3つの食マンガが連載を開始しました。

現在、料理・グルメマンガって多すぎて「あー…○○(作品名)と似てるわー(棒)」と思うことも少なくないのですが、この3つは既存作品と一線と画しています。
個性豊かで、作家さんの色がはっきり出ているので好みが分かれるとも思いますが、新人作家さんがここまで描けるのか!と感心しました。

今まで見つけたWEBで読める漫画はこちら。
WEBで読める料理・食・グルメ漫画一覧

WEBコミックBeat’s

『PEACE MAKER 鐵』(黒乃奈々絵)や『魔探偵ロキRAGNAROK~新世界の神々~』(木下さくら)を連載しているWEB雑誌です。
毎月10日、25日更新。今回紹介する3作品は、毎月25日更新です。
※スマートフォンで読むためには、無料アプリの actibook のDLが必要です

おえどかしばな(おやまだみむ)

おえどかしばな

ストーリー

お江戸で菓子の花咲かせます!純情すいーつ職人が繰り広げる人情ストーリー!

舞台は江戸末期。
自分の店を持つことを夢見る菓子職人・咲太郎が繰り広げる、1話完結型の人情噺です。

感想

絵が丁寧でかわいらしく、江戸の町の描写も細かいです。
読みながら、東京・両国にある「江戸東京博物館」のジオラマを思い出しました(大好き)。

登場する江戸時代のお菓子。ストーリーとの絡め方に無理がなく、主人公・咲太郎が一喜一憂しながらお菓子を作る姿には好感を覚えます。

ゲストキャラのおっさんが素晴らしいです。

おっさんが素晴らしいです。(大事なことなので2回言いました。)

作者のおやまだみむさん、過去に山中鹿ノ介を描いているんですか。地元の武士やわ(島根出身)。

おいしいかおり(ウオズミアミ)

●おいしいかおり

ストーリー

レズビアンの薫(カオリ)と、バイセクシャルの朔(サク)の2人は、最近、同棲を始めたばかり。
元気で明るくハイテンションな薫は、怒りっぽい朔に毎日怒鳴られつつも幸せな日々を過ごしていた。
薫が作る、おいしかおりが詰まったスパイス・ハーブ料理のレシピ付。

感想

女性同士のカップルの日常を描いた、食卓マンガです。
同性愛とかないわ~…て人はスルーで。しっかりがっちりとしたレズビアンカップルだと思います。

「匂い」や「香り」をテーマに描かれており、匂いに関連した描写が多数みられるのが特徴。料理についても、スパイスやハーブを使った「香り豊かなレシピ」が登場します。

簡単に言ってしまうとゲイカップルを描いた、よしながふみさんの『きのう何食べた?』の女性バージョンなのですが、いやー、全然違いますね(笑)。
2話には『きのう何食べた?』にも登場した、リンゴトーストが扱われますが、気持ち良いくらい別物でした。面白いなあ。

1話は薫、2話は朔の視点で描かれた物語です。
私は1話を読んだ時点で「うわぁ…朔さんみたいな人、苦手やわ…」と思ったのですが、2話目を読んだら「朔さん…かわいい…」と思ってしまいました。
逆に、薫という人は、1話だ道化っぽい?ぐらぐらして不安定な人のように感じたけど、2話だと地に足がついているように見える。

視点の違いで、キャラクターがちょっと違って見えるけど、同じ人の一側面なので、キャラクターは一貫してる。そこがすごいし、面白いなと思いました。

「ケ・アローマ!」「おいしいかおりをめしあがれ!」という決め台詞は、2話しかない現在はうっとおしく感じる面もありますが(^ω^;話にリズムを生み出しているので、回を重ねるとクセになる気がします。

豊饒のヒダルガミ(ちさかあや)

豊饒のヒダルガミ

ストーリー

時は江戸――各地で終わりの見えない飢えが続く『天保の大飢饉』真っ只中。
村には、底なしの飢えから生まれた無念の塊『餓鬼』が跋扈していた。

そんな村に、白髪の青年・トゼと、物静かな青年・ゼンの2人連れが訪れる…。

感想

残酷描写があるので、閲覧にはご注意ください。

間違いなく食マンガではあるのですが、例えば『進撃の巨人』を彷彿とさせる”喰らうこと”や”飢え”をテーマにした、時代劇ファンタジーかな。

なるほどヒダル神か~。作者さんは、鬼や妖怪などの伝説や、民俗学全般が好きな方のでしょうね。

2話時点では、世界設定を説明しつつ、伏線を敷いている感じです。
5-6話あたりから物語が動きだし、おもしろくなると予想しています。

この世界観の物語を新人に描かせちゃう編集部すごいな、と、変なところに感心しました(笑)。

まとめ

どれも読み応えあるし、丁寧に描かれているのが伝わってきます。
『おえどかしばな』は万人向けだけどフックが足りないかな?
『おいしいかおり』は設定からして好みが分かれそうだけど、ファンがつきそう。(私は楽しく読みました。)
『豊饒のヒダルガミ』は伏線貼り終わってからが本番な感じですね。(2話時点では謎が多すぎてなんとも笑)

個性が強いので好みは分かれそうですが、3作同時に連載を開始して、3作とも色が違っているのが素敵だと思いました。

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