料理・食・グルメ漫画のカタログ

料理漫画目録

【目録】甘い香りが漂ってくる…!和菓子・洋菓子・パン作りが描かれた漫画 23作品+α

更新日:

今回はお菓子やパンを作る、料理漫画です。
職人の姿を描く職業漫画でもあるのかな。

読んだ作品には感想を加えていますが、全体にレベルが高い気がします。
描写が美味しそうなだけでなく、物語としても楽しめると評判の作品が多いです。

和菓子・洋菓子・パン作りが描かれた漫画

【定義】

・主人公の職業が、和菓子職人や洋菓子職人、パン職人である、もしくはそれを目指している漫画。
(職業名:パティシエ、パティシエール、ショコラティエなど)
・漫画の舞台が和菓子屋、洋菓子店、パン屋である。
・お店の経営や商品開発に関するエピソードがあったりする。

※「パンやお菓子を擬人化」みたいな漫画は除外(例:こげぱん、たまぽよ)
※「パンを食べる」系のコミックエッセイは除外(例:やっぱりパンが好き!)

和菓子 2作品

わさんぼん〜和菓子屋顛末記〜(佐藤両々)

和菓子職人見習いの望月草太が、150年以上の歴史を持つ亰都[1]の老舗和菓子屋「桜屋」にて修行する姿を描く。
4コマ漫画にも関わらず、和菓子の描写が丁寧と評判の作品。
2014年3月時点で3巻まで。

あんどーなつ―江戸和菓子職人物語(原作:西ゆうじ,漫画:テリー山本)

パティシエを目指していた安藤奈津は、就職までの間繋ぎにアルバイトとして和菓子の老舗店・満月堂で働くことに。
私は父が集めていたので読んでましたが、1話完結型で安定した印象の作品。浅草を舞台に、人情話や職人としての心構えを説くようなエピソードが散りばめられています。
原作者急逝の為、全20巻にて終了。
出版社のサイトで1話が試し読みできます

補足:和菓子関係、こんな作品もある

今回のまとめテーマとはちょっと違うけど、和菓子を扱う作品。

・和菓子のアン(漫画:猪狩そよ子 原作:坂木司)
デパ地下の和菓子売場が舞台のミステリ。小説が原作。

・京・かのこ(なかじ有紀)
京都の御菓子司「蒼月」のひとり娘・鹿乃子が、職長である祖父の工場(こうば)に入り、和菓子作りを学ぶことに──!
…という、和菓子修業を描いた漫画のようですが、WEBで情報が拾えないので保留。
下で紹介する『ハッスルで行こう』など、なかじ有紀さんの料理漫画は評判いいのでチェックしたいなあ。

洋菓子/パティシエを目指す漫画 4作品

夢色パティシエール(松本夏実)

天野いちごはケーキ大好き14歳。製菓学校・聖マリー学園でスイーツ精霊のバニラと出会って!? 新感覚スイーツストーリー開幕。
集英社「りぼん」にて長年連載されていた作品。全12巻。
出版社のサイトで10P程度試し読みできます

キッチンのお姫さま(原作:小林深雪,漫画:安藤なつみ)

食いしんぼうで、お料理が大好きな女子中学生・七虹香(ナジカ)がパティシエを目指す物語。
試読しただけですが、作り方が丁寧に描かれていて驚きました。
講談社なかよしにて2004年~2008年まで連載(完結)。
講談社の作品紹介ページで第1話が試読できます
単行本は全10巻。紙は絶版でKindle販売中。

ハッスルで行こう(なかじ有紀)

調理師専門学校に通いながらパティシエを目指す久保海里(男)が、イタリアンレストランでアルバイトを始める…という物語。
描かれるのはお菓子だけではありませんが、パティシエを目指す物語なのでこのジャンルに。レシピもついているようです。
1994年から白泉社LaLaにて連載(完結作品)。
単行本は全6巻(絶版)。

文庫版は全4巻。

パティシエール!(野広実由)

4コマ漫画。25歳でパティシエールを志して製菓専門学校に入学した主人公・まさこが、専門学校を舞台に繰り広げるコメディ。
4コマなのですが「専門学校の描写がリアル」との声がちらほら(作者の妹が通っていたそうです)。
全4巻で完結(絶版)。(続編『ダブルパティシエール!』全2巻もあり)
eBookJapanで試読できます ※スマホは専用アプリが必要
作者インタビュー

洋菓子/パティシエが登場する漫画 8作品

ケーキケーキケーキ(萩尾望都)

ケーキに目がない少女・カナがフランス菓子の職人に偶然出会い、彼の弟子にしてもらおうとパリへ修行に出かけるが、彼は既に亡くなっていた…。
ラブ・コメディが主軸のようですが、ケーキの描写は秀逸との声が多いです。
1970年に講談社なかよしに掲載。全1巻。

西洋骨董洋菓子店(よしながふみ)

脱サラして洋菓子店を開業した橘、天才パティシエで魔性のゲイ・小野、元プロボクサーのエイジ、黒服サングラスの千影の4人が、洋菓子店を舞台に繰り広げる物語。
ケーキが美味しそうで食べたくなります。作る様子も綺麗。
お菓子との関わり方が物語やキャラクターの設定に絡めてあるのが良いですね(橘は甘いもの全般苦手、エイジは焼き菓子が上手いとか、千影は甘いもの大好きで辛い物苦手とか)。
そして物語の伏線の貼り方が上手い。4巻でなされた伏線回収が見事で、驚かされました。個人的に、甘党の元刑事さんと現刑事さんのおっさん2人が好きです。
出版社のサイトで5話を試し読みできます
よしながふみさんインタビュー(辻調理師専門学校)

文庫版は全3巻。

キングスウヰーツ(大石普人)

2005年2月に1巻発売。全5巻。
父が残した至福の味を求め、さすらいのパティシエ・赤川アラタが奮闘する情熱系菓子職人物語。
全5巻、絶版。

パティスリーMON(きら)

雑誌『YOU』で2006~2009年に連載されていた洋菓子店を舞台にした漫画。
お菓子作りが大好きな音女はある時、高校時代の家庭教師・土屋幸平からの誘いで彼が勤める「パティスリーMON」で働くことに…という物語。
ケーキやお菓子作りではなく、主人公の恋愛が主軸。主人公がかわいく、相手役の2人の男性もかっこよく、少女漫画としておもしろいです。
Yahoo!ブックストアでほぼ1話立読できます(非会員でも読めます)。
単行本は全10巻。

文庫版は全5巻。

ダブルパティシエール!(野広実由)

『パティシエール!』の続編。全2巻。
まさこが製菓学校を卒業してから3年後の物語。
全2巻、絶版。

パティシエール(小林博美)

パティシエの卵・よもぎは、偶然見つけた小さな洋菓子店のミルフィーユに感激。頼み込んで雇ってもらえることになったが…?といった流れで、パティシエールは全2話。
単行本は短編集です。全1巻。
●パソコンならamazonで試読できます
eBookJapanで試読できます ※スマホからだと要専用アプリ

※リンク張れないのでこれだけ表示が違います…。

アマイタマシイ(杉本亜未)

スィーツ・ファンの柴田羽衣と川嶋賀句が、天才パティシエ・熊谷周作を説得し、商店街でパティスリー開店を目指す物語。
集英社グランドジャンプにて連載(終了)。
単行本は全4巻。

新装版も全4巻(復刊ドットコムから刊行、描き下ろしページ収録&カバーも描き下ろし、こっちを買った方が良いかと)。

アントルメティエ(原作:早川光,漫画:きたがわ翔)

監修:高木康政。
パティシエを目指し喫茶店で働く小椋かのこ。彼女が作るシュークリームは地元の人間に大人気だった。喫茶店に偶然訪れたパティシエ・城ヵ崎は彼女の才能を見出し、銀座の一流ホテルに引き抜く…。といった物語。
作る過程も含め、ケーキなど洋菓子の描写は多いです。
前4巻読みましたが、「絵が上手い」とは思えるのに何故か「美味しそう」とは思えなくて。話やキャラクター、食べる時の表情などチグハグな感じで、いま一歩な漫画でした…(好きな方がいたらごめんなさい)。
全4巻。

チョコレート 2作品

クーベル・チュール(末次由紀)

イケメン兄弟ショコラティエが働くチョコレート専門店を舞台に繰り広げられる連作短編集です。
お店を舞台にしているのでチョコレートやホットショコラなどが登場しますし食べる描写もありますが、食描写の印象は薄いような…。
漫画としては面白くて物語の小道具としてチョコをうまく使っているとは感じました。よく出来た短編集だと思います。
2014年3月時点で1巻のみ。2014年2月にに講談社BELOVEに新作が掲載されました(4年ぶり…)。

※リンクが張れないので表示が違います

失恋ショコラティエ(水城せとな)

製菓学校に通う爽太が片思いしていたサエコに振られたのをきっかけに、フランスに修行に行く。5年後、日本に戻ってきた爽太はショコラ専門店「ショコラヴィ」を開店。ショコラヴィを舞台に、揺れ動く様々な人間関係を描いた恋愛漫画。…ってことでいいんだろうか。
描かれるチョコレートは美しくとても美味しそうだし、バレンタインなどのイベントに向けて商品企画を練ったりする様子も楽しい。個人的に、7巻で描かれたサエコの恋愛姿勢?考え方が印象深いです。

単行本は全9巻。
出版社のサイト40Pくらい試し読みできます

パン 5作品

焼き立て!ジャパン

パン創りの神が宿る「太陽の手」を持つ少年・東和馬が、パンをテーマに料理勝負をしていく「料理対決漫画」です。
最初は描かれるパンは美味しそうだったと記憶していますが、進むにつれてトンデモ料理が増えた気がします。
全26巻。
出版社の紹介ページで試読できます

三日月パン(ささだ あすか)

主人公のみずほは、商店街の小さなパン屋の居候。そこには無愛想だがやさしい龍吉(たっちゃん)と妹のなつきが兄妹で住んでいた。
2003-2006年に白泉社LaLaDXにて連載(完結)。全3巻。

ベーグル食べない?~幸せカフェごはん~(野崎ふみこ)

普通の主婦がベーグル専門のカフェを開店!お店を軌道に乗せる為、奮闘する物語。
ベーグルのレシピや美味しい食べ方もついていて基本ほのぼのした漫画ですが、「カフェ経営のむずかしさ」も描かれるようです。
全3巻。

しばたベーカリー(鵜飼りん)

見た目は可愛い柴犬だけど、完全に人間のしばたさんが脱サラしてパン屋を開業。妻に逃げられ息子になじられながら、毎日パンを焼いてます。
パン屋が舞台、というだけで、犬成分の方が高い漫画…(笑)息子の小太郎君がかわいいし、逃げた妻もおかしくて笑えます。
何気にパン屋さんとコラボしていたりします。この取組は興味深いです。講談社モーニングにて連載(終了)。
単行本は全5巻。
講談社モアイにて1話が試し読みできます

Bread&Butter(芦原妃名子)

『砂時計』『Piece』の芦原妃名子さん最新作。
教師を辞めた女性と、文具店なのにパンを焼いている男性の物語。
雑誌で読んでますが、パンがおいしそう!です。パンを食べたり作るシーンもしっかりしていますがそれだけではなく、主人公と相手男性、2人の生き方が物語(ドラマ)として面白いです。1巻時点では、男性の過去にちょっとびっくりしました。
集英社Cocohanaにて連載中。
2014年3月に1巻発売。2018年11月現在7巻まで。
集英社Cocohanaサイトで第1話を試読できます

番外編 3作

お菓子関連ではこんな作品もありますよ~…ということで、職人としてではなく「家でのお菓子作り」を描いた漫画。

スイーツ本部長一ノ瀬櫂(佐々木善章)

個人的にイチオシの作品です。
”仕事が出来る”と評判の本部長・一ノ瀬櫂(47才・独身)は、実はスイーツ男子。自分で理想的なスイーツを作って食べるのが趣味…といった内容のギャグ漫画です。
一ノ瀬本部長が発見する「より美味しいスイーツを生み出す為の一工夫」(1話目だとスポンジケーキに使用する油の話など)は使えそうです。私はアップルパイ、パンケーキの回が好き。
講談社「Dモーニング」で連載していました。残念ながら単行本は途中までで打ち切られています。
単行本は全3巻。
講談社「モアイ」で3話試読できます

シュガーポットのないしょ話(佐藤まり子)

1980年頃の講談社なかよしに掲載されていた漫画。
物語に登場するのはお菓子だけではないのですが、少女マンガの料理漫画では元祖といっていいのでは?…ということで掲載。
内容についてはWikipediaが詳しいので参照ください

ゆめ色クッキング(くりた陸)

お菓子だけではないので番外編扱いで。
講談社フレンドにて1987年から連載されており、全7巻が刊行されました。
主人公が料理を作って食べさせる…という物語で、洋菓子やパンの比率が高いのでご紹介(ごはんものも出てきます)。
Jコミで全話無料公開中です

秋田書店フォアミセスで『新章 ゆめ色クッキング』も連載していたようです(こちらは調査していないのでお菓子を扱っているかわかりません)。

続編として、結婚して母になった芹香が主役の『ゆめ色クッキング~母・芹香 幸せのレシピ~ 』もあります(こちらも未調査)

「なかよし」連載作品では『デリシャス!』(あゆみゆい)『パラダイス・カフェ』(ひうらさとる)『ほっぺにチューボー!』(原作:夏川涼香,漫画:おおうちえいこ)などもあったのですが、お菓子メインでないようなので省きました。
女児向け、女性向け作品が多いのが特徴のジャンルかもしれません。

まとめ

※2018/11/4 修正、追記

…以上、23作+αでした。結構ありますね…!

個人的に好きなのは『あんどーなつ』、『西洋骨董洋菓子店』、『スイーツ本部長』かな。
『スイーツ本部長』、面白いんですけど、目立たなくて打ち切りのようになってしまって悲しい。

同じ作者さんが原作を担当している、『肉極道』も面白かったです。全5巻。

この一覧を作ったのは2014年8月で、既に4年が経過しました。
多分、お菓子系の作品も増えていると思うのですが、「孤独のグルメ」ドラマヒット以降、料理・グルメ系漫画が増え過ぎてしまって把握しきれなくなりました…orz

記憶に残っているのは、明治時代のパン作り+元新選組・斎藤一を扱った『一の食卓』(樹なつみ)くらいでしょうか。
白泉社LaLaで連載していて、単行本は全6巻です。

気になる一冊が見つかりますように願っています。それでは~

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