※2019/1/17追記：
記事を書いた2014年当時は「Dモーニング」で無料連載されてましたが、2019年現在は「コミックDAYS」にリニューアルされました。
ちょっと前に再連載が始まったので、2014年10月24日に公開した記事を、2019年の閲覧環境に修正しました。
画像に「＃Dモーニング」とあるのは、Dモーニングアプリの仕様です…
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WEBで読める料理系漫画は色々ありますが、管理人イチオシの作品でございます。
お菓子作りが好きな人や、（お笑いコンビ）アンジャッシュのコントが好きな人におススメしたい作品。
今まで見つけたWEBで読める漫画はこちら。
●WEBで読める料理・食・グルメ漫画一覧
スイーツ本部長 一ノ瀬櫂
「コミックDAYS」で全話（有料）、講談社モアイで1-3話が読めます。
●コミックDAYS『スイーツ本部長 一ノ瀬櫂』
●講談社モアイ『スイーツ本部長 一ノ瀬櫂』 1-3話
スマホアプリはこちらからDL出来ます。有料部分は会員登録しないと読めません。
単行本は全3巻です。今は紙版が絶版しており、電子書籍のみ。
ストーリー
外川無線電機の東京本部長、一ノ瀬櫂（47）。
会社では切れ者として知られ出世街道を邁進する彼の、プライベートは謎に包まれている。
定時キッカリに仕事を終わらせ、飲み会などには参加しない。
果たしてそのプライベートとは…！
…といったあらすじの、お菓子を作って食べるサラリーマンの漫画です。
1話16ページの短編。
感想
以前、「甘い香りが漂ってくる…！和菓子・洋菓子・パン作りが描かれた漫画」というまとめでも紹介した作品です。
元々、『きのう何食べた？』や『コウノドリ』が好きで「Dモーニング」の有料会員となりました。
有料会員になってから数カ月、この作品を読んでませんでした。絵柄が好みじゃなかったんで…。
しかし料理漫画だったので、なんとなく読んでみたら、とても面白くて。過去の「Dモーニング」をDLして、全部読み直しました。
私と同様、絵柄を見て敬遠する方もいるかと思いますが、読んだら面白い、クセになる作品だと思います。
好きなところ
この漫画の好きなところは、
1）本部長（作者）のスイーツ愛
2）話の構成・展開がうまい
3）本部長かわいい
…という3点です。
1）本部長（作者）のスイーツ愛
作中で必ず、本部長が自らスイーツを作って、食べます。
基本的に自分の欲望に忠実に、こだわりのスイーツを調べて作って、食べる。
プライベートな時間は、スイーツ作りに費やす。
最高の味を求めて素材の選定、作り方など、日々妥協することはない。研究熱心。
仕事中も常にスイーツのことを考えている。
いやこれさぼってるって言うんじゃ…。
今週号（2014年47号）では10代の頃からスイーツを作っていたことが判明。30年以上のキャリアか…！
若い頃の本部長も見てみたいものだ…。
スイーツへのこだわり
本部長と言うキャラクターを形作るのは、スイーツに対するこだわり。
このこだわりが結構細かくて。そうなのか！やってみよう！…と思います。
こだわりは多岐に渡っています。
例えば材料。バターでも発酵バターというものがあるとか（知らなかった）。
食材の組み合わせ（レシピ）。
クッキーにトウガラシや柚子コショウ。パウンドケーキに酒かすと生姜。
大福を作る時はイチゴ大福で満足せず、オレンジやモモを包んでみる（ちなみに、ブドウ大福が美味しいらしいです…）。
アップルパイをサクサクに仕上げる為に加える調味料、パンケーキをふんわりさせる意外な食材、マフィンをふんわり作る意外なコツ。
（この辺はネタバレになるので詳細は控えますが、そうなのかーと感心しました。）
最新話で登場した「タルトリング」は私も知らなかった。
ある意味、スイーツ作りに関する薀蓄漫画でもあるかもしれません。勉強になります。
話の構成・展開がうまい
単なるスイーツ漫画ではありません。構成が上手いです。
この作品はギャグ漫画というよりは、コントや落語を彷彿とさせる。未読の方に伝える場合は「アンジャッシュのコントに似ている」といった説明なります。
1話の中に、定番の2つの軸があります。
1つは上で述べた、本部長がスイーツについての蘊蓄を語り、疑問点を調べ、実際に作り、食べる…という物語。
もう1つは、悩んでいる人（同僚や取引先など）が、本部長の行動をきっかけに、悩み解消していく…という物語。
読み進めるうちに、全く無関係に思えるこの2つのピースがハマっていくのが心地よい。
16ページの短編ですが、無理矢理感もなく、時に考えさせられる深さすら覚えます。
モアイに掲載されている3話はわかりやすいですが、最近はこの2つの軸のバリエーションが増え、ハマっていく感じが高度になってきてまして。
毎回毎回、よく練られているなあ、おもしろくなっていくなあ…と感心しています。
この辺は、語るとネタバレになってつまらないので表現が難しいですね。読めばわかるので、このくらいで。
本部長かわいい
この作品の強みって、本部長がかわいいことだと思うんですよ。
47歳のおっさんキャラに可愛げを感じるとは思いませんでした。
自分の中では、よしながふみさんの『きのう何食べた？』の史郎さん、ケンジの2人に感じるのと近い親近感があります。
回を重ねるごとに、キャラクターへの愛が増していくのが不思議。
食べるパートでは、こだわりを持って自分で作ったスイーツを頬張る時の表情が好きです。
読みながら、本部長と一緒に達成感を味わえてしまう不思議。幸せな気持ちになります。
最初は「ほうほう、ギャップで笑わせてるんだな」と冷静な目で読んでいたのですが、何回も読んでいると、この「口福～…！」て表情が癖になります。
洋菓子にとどまらない
手作りするスイーツは洋菓子、特に焼き菓子が多いのですが、最近は和菓子にも挑戦しています。
この、大福の回（2014年46号）は色々なフルーツ大福が登場して、極めつけの大福（を使ったケーキ）は美味しそうだったな～。
それにしても、本部長は本当に可愛らしいですね…！
一方で、年齢相応に、身体のことは気にしている。たしかにドーナツは恐ろしいですね…。
例えば「定時で帰宅している理由」が「スイーツを作って22時までに食べる為」といった設定もあります。こういう乙女な感じもかわいいですね。
自分勝手な行動が、仕事を変える
本部長はぶっちゃけ、自分本位で自分勝手な人。
周りの人が一目置いているから？、彼の行動を全て良いように解釈し、うまく回る。
ちょっとずるい、都合が良い気もするのだけれど、自分の欲望に正直だからこそ、言える言葉もあって。
モアイで読める話だと、2話目に登場するのは本部長がスイーツを愛し続けているからこそ、の名言です。
何より、自分が好きなことを思う存分やって笑っている人を見るのは、たとえ漫画の中であったとしても、気持ちが良いですね。
まとめ
話自体もおもしろいのですが、回を重ねるごとに面白くなっていく。作品が進化していく様子を見るのも楽しみの一つです。
作者の料理絵も進化していて、1話のショートケーキや2話のシュークリームと、今回（2014年47号）のフルーツタルトの絵を見比べてびっくりしました。
フルーツタルト、美味しそうだった。
上で紹介したイチゴ大福の絵など、フルーツの表現って難しいと思うのですが、「おっ、美味しそう」と思わせる絵になって来たように思います。
興味がわいたら是非お試しください。
●講談社モアイ『スイーツ本部長 一ノ瀬櫂』 1-3話
●「コミックDAYS」サイト
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2019年1月時点で、紙の単行本は絶版していますが、電子書籍ストアでは全3巻が配信されています。
まとめ買いして一気に読んでも2000円以下で済みます。お得。
佐々木さんが原作者を担当した『肉極道』は、スイーツ本部長の上位進化版みたいな感じです。こちらの方が蘊蓄が濃いし、肉料理の知識は新鮮に感じました。こちらも全5巻でまとめ読みしやすいです。